森のおさんぽ会 blog

瀬谷市民の森で、未就園児の親子を対象としたおさんぽ会のブログです。

五感を使うこと

3月に「センス・オブ・ワンダー」(レイチェル・カーソン著)にまつわるブログを書いたところ、森のおさんぽ会の参加者さんが、「センス・オブ・何だあ?」という本があるんですよ、と教えてくれたので、図書館で借りて読んでみました。

著者の三宮麻由子さんは、まえがきで「カーソンは『センス・オブ・ワンダー』の中で、『知る』ことは『感じる』ことの半分も重要ではない、と語り、子どもとともに自然に親しむようよびかけています。『感じる』ことのほかにもう一つ、私は『何だろう』も大切にしています」と書かれています。

前回のブログではホタルの『光』について書きましたが、実は私は「感じる」ためにはまず目を閉じること、つまり光に頼らないことが手っ取り早いと思っていました。見ることも五感の1つですが、あまりにもこの見ることに自分自身が支配されているような気がしているのです。目から入ってくる情報は、圧倒的に強い。

三宮麻由子さんは4歳のときに目の手術によって光と完全にさよならした方、とのことでなるほどと思いました。この本には、あらゆる「感じる」ことを通して、とても豊かな風景をイメージできること、その手法やヒントが書かれています。また、感覚は鍛え方や天性の能力によってさまざまに育つもので、三宮さんにとって、特にこどものころの経験の影響は大きかったと。そして、経験自体よりも大きかった伏線は、ともに「感じる」のを楽しんでくれる大人たちに出会えたこと、だそうです。

私がこのブログを書くのに、適当な写真を「森のおさんぽ会」の最中の写真から選ぼうとしたら……いっぱいありました(笑)。遊びながら感じているんだろうなあ、と思える数々の写真の中のおともだち。

いつも思うのです。参加者さんたち、ママさんもおともだちも、おさんぽの楽しみ方が上手だなぁって。ですから、ここで敢えて書かなくても良いのですが、森の中では「感じよう」と考えなくても。近くの音、遠くの音に耳を澄ます。足の裏にアンテナがあることに気付く。鼻に入ってくる空気を味わう。この心地良さは何だろう?気持ち悪さは何だろう?と、自分自身が力を抜いてちょっとした「間」を持ってみるのも良いですよね。

テキトーな私は、よくおさんぽ最中に「お子さん、放っておいて良いですよ。」と勝手なことを言っています。それは「感じる時間をあげて」という意味なこともあるかもしれません。おともだちが感じる時間を見ていると、面白いです。それは、確か。

また、「これは何?」と、参加者さんに聞かれてもほとんど答えられない私ですが、「これは何?」と聞かれることで、一緒に「何だろう?」と考えて、実はこっそり経験値をあげてもらえています(笑)。

ほんと、ありがとうございます(^-^)。