今年度の事業報告書をまとめたところ、森のおさんぽ会は16回開催できて、その参加者数は、延べ数で122組の親子さん(246名)でした。合わせると、そんなにたくさん!なのですね。皆さんにとってもそれぞれ「いい時間」であったならうれしいなぁと、いっしょに遊んだ人たちの顔を思い浮かばせています。
私はわが子を持ち、連れて外出するようになってから、知っている人か知らない人かに限らず、『今が一番いいときね。』と年配の女性に言われることが出てきました。その度、私は「そうかもしれませんね。」とか言いながら、内心では「一番いいとき、って何だ?」と、課題を出された気分で、今一番いいこと何だろうなあ?と考えるのでした。だってね、『一番いいときね。』の言葉、子どもが0歳の時に言われたこともあるし、1歳の時も、2歳の時も、3歳の時も、幼稚園に入ってからも、言われ続けるんだもの‥‥‥。
わが子が11歳、6歳になってくると、わかってきました。子育てがひと段落した人は、乳幼児を見ると、『一番いいときね』と言いながら、自分の子育て時代をまるっと『いいときだった』と思い出すと同時に、子育て世代にエールを贈りたくなるのではないか?と。
わが子が、0歳も、1歳も、2歳も‥‥それぞれ、いいときでした。大変だったことが覆いかぶさって見えにくくなっていることもあるけれど、その時その時で「いい」部分の内容が違う「いいとき」があったので、これからのわが子とも「いいとき」を感じて楽しみたいものです。
とは言え。森のおさんぽ会をしながら、ちいさいお友だちを見ているとね~、かわいくっておもしろくって、『いいときだよねぇ。』と同類のことを、すでに言い始めている自分がいることにも気付いています(笑)。
東直子さんの『一緒に生きる』というおススメな本に『あなたが小さかったとき』というエッセイがあり、冒頭「小さな子どもを連れているお母さんを見ると、うらやましい。」から始まるのですが、その中に「二十年も子どもを育てて振り返ってみると、子どもを育てるということは、子どもと共に世界を濃密に感じる時間を重ねていくことなのだ、としみじみする」とあって、ほーぉ!これ!この表し方が、いいなぁと思いました。
関西のとある街に暮らす私の姉が、0歳の甥を連れて瀬谷のわが家へ数日遊びにきたことがあったのですが、「瀬谷は赤ちゃんに声をかけてくるおばちゃんが多いわぁ。」と言っていました。他の地域のことはあまりわかりませんが、そのような気もしていました(笑)。ちなみに、その甥っ子もこの春からは中学生。
見知らぬ人に声をかけられるのが苦手な方も多いと思います。でも、親子(たとえそれがかわいらしく穏やかな場面でも、いささか修羅場な場面でも、です。)を見ながらニコニコしている方は、きっとかつての自分の「いいとき」を思い出す今の「いいとき」を感じているので、安心して良いのではないかしら。こうして、みんなで「いいとき」を重ねて増やしていけたら良いですね。